「生きやすさ」を求めすぎてはいけない

もちぎ:今の時代、うつ病やメンタル疾患についてのメカニズムとか対処法への理解が進んでいると思いますが、精神についてクリアに捉えすぎると、心の遊びとか人間的な矛盾みたいなものが許されなくなっていくんじゃないかな、と自分は心配しています。理屈で生きやすさを求めた結果、かえって生きづらくなっているんじゃないか、と。

精神科医Tomy:それはあると思います。そういう視点は興味深いですね。たしかに「生きやすさ」みたいなことを言いすぎな気がします。「生きづらいときはあって当たり前じゃない?」「それはそれでいいんじゃない?」とボクは思うんです。

「生きづらさ=悪」と捉えて排除しようとするのはちょっと違うのかな、と思います。「生きやすさ」とか「生きづらさ」といった曖昧なものは、曖昧なまま残しておいたほうがいいんです。

もちぎ:それ、めちゃくちゃ同感です。自分も曖昧にしておくことが好きなので(笑)。

Tomy:曖昧って大事なんですよね。そもそも生きるっていうことは、曖昧なものなんだから。