米国でかつてマイノリティー(少数派)の支持基盤に大きく支えられていた黒人の政治力が変わりつつある。連邦下院選や州の要職を決める選挙では、黒人候補が白人が多数を占める地区でも勝利し始めた。足元の流れから、黒人候補がさらに躍進する可能性がささやかれている。南北戦争後、これまで黒人で当選を果たしたのは州知事が2人、上院議員は6人にとどまる。節目となったのは2018年の中間選挙だ。下院選では、白人が多数を占める選挙区(一部は7~8割が白人)から、8人の黒人候補(すべて民主党)が選出された。当選を後押ししたのが、中間選挙としては1世紀ぶりの高水準となった記録的な投票率。特に大都市近辺の郊外で民主党候補の勝利を支えた。