なぜ、ショートカットキーはなかなか覚えられないのか?

――森さんのお話を聞いていると、せめて左手だけでもショートカットキーをたくさん覚えて、快適に作業を進めたいと思うのですが、実際のところ、ショートカットキーはなかなか覚えられないという現実があります。その問題はどうやってクリアすればいいでしょうか?

 それがまさにこの本の本質というか、もっとも重要な部分だと思います。「ショートカットキーをひたすら覚える」というだけなら、ネットで検索すれば、ショートカットキーの一覧は出てきますし、それを暗記すればいいんです。でも、そんなやり方では普通は覚えられないし、マスターできませんよね。

 それって、わけもわからずひたすら単語を暗記して、語学をマスターしようとするのと同じです。ものすごく根気のある人はできるかもしれませんが、普通は無理です。身につけるには、適切なステップが必要なんです。たとえば、現在使っている左手のショートカットキーがありますよね。仮に「コピー&ペースト」を使っているとしたら、すぐ隣りある「Ctrl+B」(太字にする)を使えるようにしてみようとか、すぐ上にある「Ctrl+F」(検索する)を使えるようにしよう、というのは非常に大事なステップです。

 そうしたステップ感を持って、ちょっとずつマスターしていけば、間違いなく、ショートカットキーの便利さと快適さにどんどん嵌っていきます。今、自分が使っている左手のショートカットキーに一つずつプラスしていくと、当然ながら、少しずつマウスの依存度が落ちていきます。これは体験してもらうしかないんですが、それだけで作業がスムーズになって、めちゃくちゃ楽しいと感じるようになってきます。

なぜ、よく使うショートカットキーは“キーボードの左側”に集約されているのか?

――脱マウスというか、マウスの依存度が下がると、そんなに作業は快適になるものですか?

 それは間違いありません。効率は確実によくなりますし、マウスの依存度が下がってくるのは、ピアノが弾けるようになる感覚にとても近いですね。ピアノって最初は指が動かなくてぎこちない感じですが、少しずつスムーズに指が動いて、演奏できるようになってくると、その行為自体が快感になってくるじゃないですか。

 脱マウスもそれに似ていて、1つでも、2つでも左手のショートカットキーを覚えて、マウスの依存度が減っていくと、キーボードの上を指がスムーズに動いていく快感があるんです。それは私のセミナーに参加している、ほぼ全員が体験しているので、間違いありません。

 もう一つ物理的なところを言うと、パソコンを開いたけれど「マウスを置く場所がない」ってケースもけっこうあるじゃないですか。カフェの机が小さすぎるとか、電車や新幹線の移動中など、十分なスペースが取れないことはよくあると思います。ノートパソコンの手前部分に、無理やりマウスを載せて使っている人もときどきいますよね。

 あれは確実に生産性が下がっていますし、ストレスフルです。そういった物理的な問題も、脱マウスは解消してくれます。いきなり「完全脱マウス」を目指すと挫折するでしょうから、ぜひこの本に書いてあるようなステップを意識して、楽しみながらマウスの依存度を下げていって欲しいと思います。2週間くらいで、驚くほどの違いが出てくると思います。

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第1回オフィスワーカー全員が「脱マウス」すれば、日本の生産性は急上昇する 
第2回なぜ、よく使うショートカットキーは”キーボードの左側”に集約されているのか?
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