とにかく「遊んでいる左手」を使い倒せ!

――「完全脱マウス」に至らないまでも、脱マウスのノウハウを学ぶ過程で、即効性を感じられる部分はありますか?

 これは間違いなく「遊んでいる左手」を活用できる点です。たとえば、インターネットをやっているとき、右手はマウスを握り、忙しく動いていますが、そのとき左手は何をやっているでしょうか。PowerPointも同じで、右手でマウスを操作しているとき、ほとんどの人の左手は遊んでいます。これってもったいないし、すごく非効率的だと思いませんか。

――たしかに、左手は何もしてないことが多いです!

 じつは「脱マウス」の一歩目は、マウス自体を手放すことではなく、遊んでいる左手を活用することなんです。そもそもショートカットキーは、積極的に左手を活用できるよう設計されているんですが、それを知らずに遊ばせている人は本当に多いです。

なぜ、よく使うショートカットキーは“キーボードの左側”に集約されているのか?

――ショートカットキーって「左手を活用できるように」設計されているんですか?

 そうなんですよ。多くの人がその恩恵にあずかっていないですけど、これはぜひ知って欲しいです。実際、多くの人が「コピー&ペースト」をやりますよね。これくらいはショートカットキーを使っている人も多いと思います。

 コピーは「Ctrl+C」。コピーの「C」なので覚えやすいですね。一方のペーストはどうでしょう。普通に考えれば「Ctrl+P」といきたいところです。コピーが「C」なら、ペーストは「P」でしょ、と言いたくなります。でも、実際には「Ctrl+V」。これは左手で簡単に操作できるように、届くところに便利なショートカットキーを設定しているからなんです。キーボードを見てもらうとわかるのですが、片手で「Ctrl」と「P」を一緒に押すのは限りなく難しいですよね。

 「コピー&ペースト」に限らず、ショートカットキーというのは圧倒的に左に偏在しています。左に偏在しているショートカットキーを使い倒すだけでも、かなりの効率化が可能になりますし、パソコン作業はスムーズかつ快適になります。いきなり「完全脱マウス」が実現しなくても、遊んでいる左手を活用するために「脱マウス」のスキルやノウハウを身につける。これだけでも十分違いが出ると思います。