企業にとっては不利益変更
個人消費には大きな影響

 今回調査した限りでは、官民双方から自家用車通勤への変更に関するデータは公表されていなかったため、あくまでも筆者の皮膚感覚にすぎないが、移行者が100人に1人にとどまる実感はない。つまるところ、既にそれ以上の移行者が現れている上、コロナ禍の長期化に伴って、移行者が順次増え続けている事態を予測する。

 このため、対象者が増え続ける中で、自腹が長期化して負担感がかさみ続ければ、経済に与える影響も小さくないと考える。改めて言うまでもなく、個人消費は、わが国の実質GDPの半分以上を占めるためだ。

 通勤手当の変更には、それに先立った就業規則の変更が必要となり、既述の通り支払いが法定されていない通勤手当であっても、一度支払ってしまえば不利益変更の対象となる。人事部門などが就業規則の変更に二の足を踏む背景も、ここにある。

 しかしながら、コロナ禍への対応長期化が避けられない中で、感染拡大防止と経済活性化の両立を図るためには、事業者側にこうした細かい対応を求めていかざるを得ないだろう。賃上げだけでなく、実態に合わせて通勤手当の支給を見直すことや、安全運転の実施・徹底を求めていくことも、新生活様式に合わせていく具体策の一つだ。

 冒頭で述べた在宅勤務・テレワーク手当等の支給を検討する際に、合わせて手当てすることも一案だろう。また、本年4月1日のパートタイム・有期雇用労働法に伴う同一労働・同一賃金対応に伴って、パートタイマーに通勤手当を支給する際に、合わせて手当てすることも考えられる。