「成功する人は、普段からどのようなことを考え、どのような行動をとっているのだろう?」
そのような疑問を心に浮かべたことがある人は、多いのではないでしょうか。
『成功者がしている100の習慣』はまさにそのような疑問に答える一冊です。リーダーシップ・コーチングやメンタリングの分野で国際的に活躍し、香港・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイなどでの豊富な海外経験を持つイギリス人の著者ナイジェル・カンバーランドが、長年のコーチングや人間観察の経験から導き出した成功者に共通する100個の習慣を、わかりやすく、実践しやすい形で読者に紹介します。
著者は、成功を仕事や経済的豊かさといった尺度のみでとらえているのではありません。家族や大切な人たちと愛情豊かで良好な関係を築き、他人に親切にし、心身の健康を維持して充実した人生を送ることを真の成功とみなすべきだと主張しています。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣のエッセンスの中から特別に抜粋し、関連する古今東西の名言も織り交ぜながら簡潔に紹介し、成功しない人が陥りやすい思考・行動のパターンも指摘します。この習慣を私たちが生活に取り入れていくための具体的な実践方法のヒントもご紹介していきます。

成功する人は、「過去」とどう向き合っているのか?Photo: Adobe Stock

成功者の習慣8「過去といい関係を築いている」
成功する人は過去を冷静に見つめ直そうとし、成功しない人は過去をネガティブにとらえて自分を苦しめている

「世間では、忍耐が人を強くすると考えられている。だが、手放すことが重要なときもある」
ヘルマン・ヘッセ(ドイツの作家)

 過去は変えられません。変えられるのは、自分の考えや感情だけです。私たちはよく、過去の嫌な出来事を思い出しては後悔します。ミスに罪悪感を覚えたり、誰かに言われた言葉に傷ついたりします。

 誰もが、こうした後悔や罪悪感を抱えて生きています。それは、現在のあなたの成功を妨げる壁になってはいないでしょうか? あなたは、過去の過ちを繰り返すことを恐れてはいませんか? そんなことはない、と思った人でも、無意識のレベルでは過去を引きずっているはずです。まったく過去のことを気にせずに生きていくことなど、誰にもできないのです。記憶に偏りがないように注意しましょう。悪いことばかり思い出さないようにするのです。以下のように、実際に起こったことを思い込みで記憶し、いつまでも傷ついたり腹を立てたりしていることもあります。

・子どもの頃、親にかまってもらえなかったと感じている(実際は、親は子どもに自分で判断する余地を与えていただけだった)。
・上司の厳しさに耐えられず仕事を辞めてしまったことを後悔している(実際は、その上司はどんな部下に対してもひどい嫌がらせをする人間だった)。

成功のための
格言
過去は変えられない。
変えられるのは、自分の考えや感情だけである

You cannot change your past, only the way you think and feel about it.