これから「寛容」の時代がやってくる
三輪:澤さんの話を聞きながら、『100%共感プレゼン』でも触れた、失敗体験の価値を今まで以上に感じることができました。例えばプレゼンをしている時に、何かミスをするのもライブ感が出ますし、聞き手に共感されるかもしれせんね。
澤:それもありますね。新型コロナウイルスの影響で、思い通りに物事が進まないことが増えてきました。結果、社会は今まで以上に、「寛容」になっていく気がしてなりません。
三輪:「寛容」ですか。確かに、先日オンラインプレゼン大会の審査員をしていた時、あるプレゼンターが赤ちゃんを抱えながら話していました。審査員の皆さんも、その光景を笑って受け止めていましたが、あれは「寛容」でした。
澤:先ほどの「手書き」スライドもそうですが、美しいスライドで着飾ることができず、誰もが素の自分を試されるようになる。すると、できないことをわざわざ隠す必要がなくなります。
三輪:それは素敵な時代かもしれませんね。これまでは字や絵が下手なことを隠す上でスライドはとても役立ちましたが、たしかに「手書き」の時代だと、その人らしさが出た方が愛着を持ってもらいやすそうですね。
澤:そうなんです。三輪さんの本『100%共感プレゼン』でも、弱さや失敗をさらけ出すことが共感につながると書かれていました。「寛容」の時代に求められる力とも言えるでしょう。