Economy(経済、消費動向、所得の変化)
マクロ経済の動向はどうなっているか? 人々の所得はどう変化しているか? 消費スタイルはどう変わるか?
要するに、顧客を取り巻く経済状況がどのようになりそうかを理解しておく必要がある。これは、ユーザーの「買い方」や業界のバリューチェーンのあり方に大きな影響をもたらすからだ。
例えば、「所有型」から「利用型」への消費スタイルのシフトがある。かつては一家に一台の車を「所有」するのが一般的だったが、カーシェアリングや配車サービスのように、必要なときに必要な機能を「利用」するかたちにお金の使い方が変化している。
サブスクリプション(定額課金)型のビジネスも、このようなトレンドの中で理解されるべきだろう。音楽業界やビデオコンテンツ業界は、すでに、「買い切り型」よりも「ストリーミング配信型」の方のシェアが高くなった(音楽はSpotify=スポティファイ、ビデオコンテンツはNetflix=ネットフリックスが代表格だ)。
ソニーも一定タイトルのゲームを上限なく楽しめるPlayStation Plusという定額サービスを開始している。
このように、業界の古株や大手も、このサブスクリプションモデルに参入することでトレンドはますます加速し、ありとあらゆる業界に広がっていくだろう。
このようなエコノミーが一般化すると、企業と顧客との関係性にどのような変化が生まれるだろうか?
おそらく、「商品を売ってそれで終わり」という従来のビジネススタイルは、しだいに廃れていくだろう。むしろ、これからは「売れた後の世界」が大事になってくる。顧客と継続的につながる中で、どんなバリューを購入後も継続して提供していくかという視点が不可欠になるはずだ。