コロナ禍が企業業績を直撃する中、これまで企業にとっては売り手市場の中有望人材の確保が最優先となってきた新卒採用市場はガラリと変わった。特集『2021年就活戦線』(全6回)の#3では、その激変の様子を企業を対象とした採用実態調査結果から読み解こう。(ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室 室長 高村太朗)
採用予定数は10年ぶりに
前年比「減少」が「増加」を上回る
ダイヤモンド・ヒューマンリソースが行った、企業を対象とした採用アンケートでは、新卒採用の予定数を「減少」する企業が31.8%(従業員501人以上)、24.8%(従業員500人以下)といずれも「増加」を上回り、11卒採用以来10年ぶりに「減少」が「増加」を上回った。
コロナの影響で採用予定数を「変更していない」と回答した企業が大半ながら、従業員501人以上の企業で26.1%、500人以下でも14.6%が「減少」させており、500人以下の企業のうち3.9%の企業が6月時点で採用の中止を表明した。長く続いた売り手市場が一転、学生にとって厳しい就職環境に変化している。