英米で相次いで「水増し」報道
日本でも同じ可能性はないのか
新型コロナウイルスの感染者数が大幅に水増しされているとの記事が、先ごろ米英の主要メディアに相次いで掲載された。
「PCR検査で陽性と判定された人のうち、最大90%の人は感染していないと推定される」(ニューヨークタイムズ=NYT、8月29日)
「PCR検査は非常に敏感なので、死んだウイルスでも陽性になる。パンデミック(世界的流行)の規模は過大に評価されている可能性がある」(英国放送協会=BBC、9月5日)
2つの記事はともに、一部の研究者が早くから指摘していた「PCR検査で新型コロナの感染者を判定することの問題点」を指摘している。
米国や英国と同じことが日本でも起きている可能性がある。
PCR検査には限界がある
ウイルスの量や増殖ぶりは判定できず
この問題を理解するには、PCR検査とはどんなものか知る必要がある。
PCR(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション=ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウイルスの遺伝子(DNA=デオキシリボ核酸)を増幅する技術だ(ポリメラーゼはDNAを合成する酵素、連鎖反応は連続した反応の意味)。