ファミリーマートPhoto:123RF

大手コンビニチェーン3社の2020年度上期決算が出そろった。コロナ禍における収益の回復度合いで明暗がくっきりと分かれる中で、ファミリーマートは上期で初の最終赤字となった。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

コロナ禍で浮き彫りになった大手3社の稼ぐ力

 コロナ禍におけるコンビニチェーンとしての「稼ぐ力」で、優勝劣敗の構図がより鮮明になった決算だった。

 セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)、ファミリーマート、ローソンの大手3社が、それぞれ発表した2020年上期の国内コンビニエンスストアの業績では、本業のもうけを示す営業利益(事業利益)で、SEJが10%減にとどめた一方、ファミマとローソンは50%前後の大幅な減益となった。

 上表にあるように、店舗における1日当たりの平均売上高(日販)で、セブンとファミマ、ローソンでは15万円以上の差があるという状況で、客数の減少率や客単価の伸長率でもはっきりと差がついた格好だ。

 中でも苦しむ姿が際立ったのが、ファミマだ。単体の最終損益は127億円の赤字で、上期決算では初の赤字に転落した。

 要因は、事業利益がほぼ半減したことに加えて、コロナなどの影響で採算が大きく悪化している店舗の賃料などの使用権資産を中心に、422億円を思い切って減損処理したことだ。