米国のルールに従うのか、中国のもたらす利益を取るのか――。米中対立が激化する中、日本の政府や企業にとっては、踏み絵を踏まされるような局面が増えてきた。特集『佐藤優の地政学5問』(全6回)の#4で佐藤優氏は、この難しい局面の勘所が「バカのふり」にあると大胆に説く。(構成 ダイヤモンド編集部)
米中対立が激化する一方だが、今の日本の状況を、サラリーマンの立場に置き換えてみよう。
ある日、上司がどう考えてもむちゃな指示をしてきた。そのときに「部長、それはコンプライアンス違反ですよ」と真っ向から指摘したらどうなる?「ご苦労さん。君はもういいよ」となる。
こういうときは、バカのふりをするのが一番。「レベルが高過ぎて、私には分かりません」「私ではとても力が及びません」と言って受け流す。議論を取りあえず避けて、上司が冷静になるタイミングを待った方がいい。