変化が多過ぎて未来を予想するのが難しいときは、歴史の事実に謙虚に学ぶことが有効だ。特集『佐藤優の地政学5問』(全6回)の#5では、佐藤優氏が現在の状況を、日清戦争前夜に近いと喝破している。日中、朝鮮半島、米国の既視感ある立ち位置とは。(構成 ダイヤモンド編集部)
日本を取り巻く現在の局面は、歴史を振り返るなら日清戦争(1894~95年)の頃に近い。日清戦争は、清国が日本の国力を見誤り、「自国が上だ」と思い込んだことで開戦に至った。当時、大東亜国際法という、英米のルールに従う必要はないとする考え方があったが、これは今の中国の発想と非常に似ている。今の中国は当時の日本に近いが、日本は当時の清国に似ている。