米国を脅かす新興大国となった中国。サイバー空間への官民挙げた猛烈な投資や、南シナ海を中心とする海洋進出の勢いにはすさまじいものがある。特集『佐藤優の地政学5問』(全6回)の#3で佐藤優氏は、米中対立がそうとう長期化すると指摘した上で、「中国が欲をかくことを、日米は歓迎すべきだ」と言う。なぜか?(構成 ダイヤモンド編集部)
米中の対立はいったいどこまで続くのか。そうとう長期化する可能性を覚悟する必要がある。
米中対立の本質は、中国の領域拡張的な戦略を、米国が容認できないところにある。強国化した中国と既存の強国である米国がぶつかり(いわゆる「トゥキディデスのわな」、下表参照)、覇権を争うようになる。