時価総額1兆円を超えてデカコーン企業になったDoorDash

 他にも2019年に時価総額1兆円を超えてデカコーン企業になった、オンデマンドフードデリバリーサービスのDoorDash(ドアダッシュ)は、超ハイタッチ+パイプライン型で始まっている(下図表)。

 ドアダッシュは、レストランとユーザーとドライバーの3者のマッチング型サービスで先ほど紹介したウーバーイーツに近いサービスだ。つまり、3者のマッチングなので、非常に難度が高い。わずか1時間で作ったサイトに翌日顧客から注文が入り、なんと自分たちで直接商品を購入して自分たちで運転して顧客のもとにデリバリーした“超ハイタッチ”だった。

 創業チームは、スタンフォードでコンピュータサイエンスを専攻していた非常に優秀なエンジニアだったが、最初はシステム化せずに、泥臭くサービスを運用したのだ(現在、評価額は1兆3800億円に上っている)。

 パイプライン型から始めて、プラットフォーム型へ展開していく戦略は有効だ。前回の連載で説明したが、プラットフォーム型事業の難しさは生産者がいなければ利用者もいない、利用者がいなければ生産者もいないという「ニワトリとタマゴのジレンマ」に陥ってしまうことだ。そこで、自ら、ニワトリもしくはタマゴの役を買って出て、事業を回してしまうという戦略だ。