最初は「パイプライン型」のビジネスとしてスタートした
エアビーアンドビー

 エアビーアンドビーは、最初はブログサイトを立ち上げ、1晩80ドルで泊まれるエアベッドを3つ用意した。一方的に価値を提供する、まさに「パイプライン型」のビジネスだった。

 さらに、ゲストがブッキングできたか、ゲストが支払いをしたか、ゲストがチェックインできたかなどのゲートキーパーの役割を創業者自らがかゆい所に手が届くハイタッチで事業を展開した。ハイタッチから始めて、オペレーションを徐々にシステム化、標準化していった。(下図表)

 パイプライン型は、創業当初は、直接販売するハイタッチの中でも、顧客と密接にかかわる超ハイタッチを行い、どのようにすれば役務提供できるかを見極めて、PMFを果たして、スケールしていくことも多い。

 今は、テクノロジーを駆使しているSaaSや、多くの物件や業者を抱えているプラットフォーマーも、初期の頃には、このような泥臭いプロセスを必ず経てきているのだ。今の「できあがった姿」や「できあがったビジネスモデル」だけを見て、ベンチマークしようというのは戦略としてはあまりにも稚拙といえる。

 他の事例としてウェブアクセス解析ツールのMixpanel(ミックスパネル)は、月に150ドルを支払った最初の顧客には、サイトにコードを埋め込んでもらい創業者自身がコンサルタントとして毎月アクセスレポートを送っていた。