東京電力ホールディングスは10月28日、2021年3月期中間決算を発表した。主力の小売り事業は、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けながらも増益となった。しかし、東電にはそれを素直に喜べない事情があった。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
4年ぶりの減収減益
販売電力量は5年連続減少
東京電力ホールディングス(HD)が28日に発表した2021年3月期中間決算は、最終利益1486億円を確保したものの、4年ぶりの減収減益となった。
実力のバロメーターである販売電力量は、5年連続で前年同期を下回った(次ページ図参照)。16年に始まった電力小売り全面自由化で他社に顧客を奪われるのは、もはや“恒例行事”。加えて今中間期は新型コロナウイルスの感染拡大による電力需要の減少という“特別行事”が追い討ちをかけた。