投資家は、最近注目を集める分野に特化したファンドに記録的なペースで資金をつぎ込んでいる。新型コロナウイルスのまん延で一変した経済状況から何らかの利益を得たいとの期待感が後押ししている。米国や欧州では今年1~9月、サイバーセキュリティーやグリーンエネルギー、医療テクノロジーといった分野の「テーマ型」ファンドに過去最高の420億ドル(約4兆3500億円)の資金が流入した。モーニングスターのデータによると、これは過去のどの暦年の年間流入額をも上回っている。「テーマ型」と呼ばれるファンドの定義は明確ではないが、一般に伝統的なインデックス型の上場投資信託(ETF)やミューチュアルファンドとは異なり、地域やセクターを横断する形でテーマに沿った銘柄に投資する。デジタル化やクリーンエネルギーの普及、人口高齢化といった社会の大きな変化によって恩恵を受ける企業が対象となる。