自賠責積立金の
返済ロードマップを

「自賠制度を考える会」としては、交通事故死者数が昨年、統計開始以来最小の3215人となった現在においても重度後遺障害者は1700人前後おり、「横ばいの状況」が続いている現状を訴えた。令和3年度の概算要求において事故被害者救済の充実、中でも「介護者なき後」を見据えた「日常生活支援の拡充」は大きな課題となっている。

 その上で、令和3年度予算における概算要求事項への着実な織り込みと、さらなる事故防止対策、後遺傷害を負われた方々の回復に向けてなお一層の質的・量的施策の充実を訴えた。

 そして、自動車ユーザーのみならず、すべての国民が「自由で安全な移動を享受できる社会」を持続し、被害者救済や事故防止対策などの事業を行うためにも、「自動車損害賠償保障制度の持続可能性を高めることは大変重要である」との認識を踏まえ、令和3年度予算における繰り戻し額のさらなる増額を要請した。

 特に、事故被害や障害者の家族の会などから「交通事故障害者福祉は始まったばかりであり、自賠責積立金の返済ロードマップを作って先が見えるようにしてもらいたい」との切実な要望がなされたことが印象的だった。

一般会計に繰り入れたこと自体が
おかしいし、矛盾している

 そもそも、この自賠責保険料の積立金を一般会計に繰り入れたこと自体がおかしいし、矛盾している。

 一般世間でも貸したものを返してもらうのは当然こと。自動車安全特別会計から一般会計に貸し付けた額が6069億円あるなら小出しにせず、全額返済が筋だろう。

 でなければ、毎年度、繰り戻し額を協議するのでなく、返済のロードマップを作成して何年で繰り戻しを終えるのかを明確にすべきだろう。

 自動車ユーザーは、自賠責保険に強制加入し、保険料を支払っているが、自賠責保険への認識は薄く、どのように使われているのか知らないのが実態だ。

 せっかくの「共助」の仕組みの自動車損害賠償保障制度なら、もっと有効に共助してもらわねばならないはずだ。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)