「ややこしい話をシンプルに説明する人」や「瞬時に自分の意見を出す人」を見ると、多くの人が「この人は頭がいい」と感心する。なぜ「頭のいい人」は、いつでも「スジの良いアイデア」や「わかりやすい説明」ができるのだろうか。
会員数100万人超の「スタディサプリ」で絶大な人気を誇るNo1現代文・小論文講師が、早く正確に文章を読み、シンプルでわかりやすい説明ができる頭の使い方を『対比思考──最もシンプルで万能な頭の使い方』にまとめた。学生から大人まで「読む・書く・話す」が一気にロジカルになる画期的な方法で、仕事や勉強に使える実践的なものだ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

対比思考
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正反対にあるものに目を向ける

 自分自身を語る(例えばエントリーシートなど)、自分の考えを語る(会議や企画書など)適切な表現を見つけるためにも、いくつかの対比を設定してみるとよいでしょう。

 自分自身を語ること、自分の“売り”がなんであるかも決して自明なことではないのです。対比的手続きを踏んでアイディアや最適な表現を見つけましょう。

 ラグビーでたとえると、密集からスクラムハーフ(チームの司令塔と呼ばれるポジション)がボールを出し、大きくバックスに展開するイメージです。

 右や左に大きく振って、グラウンドを目一杯広く使って、ボールをつなぐ。アイディア発想で正反対、対極を想定し、ことばをつなげていく。

 それによって、「トライ」をあげる、つまり課題のブレークスルーを目指す。

 私が日頃指導している大学入試の小論文では、たびたび「日本の文化」がテーマとなりますが、自分自身が住んでいるからこそ自覚的に把握して表現することが難しかったりします。

 そこで、海外の文化と対比させて考えることで、日本文化の特徴を明らかにすることができます。例えば、食文化の違い、住居の違い、宗教の違い、というように対比でアイディアを広げていくのです。

 自分の個性も、自社の強みも、自分のコミュニティの特徴も同様です。

 テレビ番組の『秘密のケンミンSHOW』も、県民性を比較するからこそ発見があるのです。

 他にも、小論文で頻繁に登場するテーマとして「情報化社会」が挙げられます。

 これも同様に、情報化以前、コンピューター・ネットワーク以前の社会と対比させることで、情報化社会の特徴を明らかにすることができるのです。

 こうした対極的対比を想定してアイディア発想することは、ビジネスや学業でも応用できそうです。

 今取り組んでいる課題について、それだけを凝視するのではなく、正反対の対比をぶつけてみると突破口が見つかるかもしれません。例えば、新たな企画を提案する際、ゼミでの討論で……。