「ややこしい話をシンプルに説明する人」や「瞬時に自分の意見を出す人」を見ると、多くの人が「この人は頭がいい」と感心する。なぜ「頭のいい人」は、いつでも「スジの良い意見」や「わかりやすい説明」ができるのだろうか。
会員数100万人超の「スタディサプリ」で絶大な人気を誇るNo1現代文・小論文講師が、早く正確に文章を読み、シンプルでわかりやすい説明ができる頭の使い方を『対比思考──最もシンプルで万能な頭の使い方』にまとめた。学生から大人まで「読む・書く・話す」が一気にロジカルになる画期的な方法で、仕事や勉強に使える実践的なものだ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

対比思考
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優れた人ほど「型」を使って思考している

 皆さんの周りで、あるいはメディア経由で知っている、輝くような仕事をなした方々はなぜそのようなことができたのでしょうか。

 生まれながらの独創的才能があったのでしょうか。早期からの幼児教育が功を奏したのでしょうか。そうしたものがあることを私は否定しませんが、自分にはそれがないからいたしかたないと嘆く必要はありません。

 発想力を伸ばすには型があり、それは自ら学んで取得できるものです。すでに人口に膾炙した表現ですが、「型破り」のためにも「型」が必要です。決して「型なし」の自己流ではなく。

 剣道にも空手にも日本舞踊にも歌舞伎にも型があります。棒をふりまわし、手足を突き出し、鬼の形相で「けんか殺法だ」「自由にやるぜ」といっても案外単純にしか体は動いてくれません。

 型を知ってこそ、あんな動き、こんな動きへと体が開かれていきます(酔拳でさえ、カンフーの型をふまえています)。

 アイディア発想も同じです。「自由に考えていいよ」なんて言われても、全然浮かばなかったり、ありきたりの繰り返しになったりしがちです。そうならない思考の一つの型が〈対比という思考法〉です。