経理はアルバイト社員でも大丈夫
経理ソフトを使いこなすコツ
あるアンケート調査によると、顧問契約を結んでいる会社の約6~7割が社内で帳簿付けまで行っているそうです。経理社員は、そのために雇っているところがほとんどだと思います。
このように帳簿を付けられるだけで、経理社員を「専門職」と見なしがちです。「借方/貸方」「複式簿記」などといった用語が出てくると、「難しい話は経理担当者に」と、姿を消す社長さんも実際に多くいます。
しかし、経理の仕事は本当に専門職なのでしょうか?誰でもできる仕事ではないのでしょうか?
確かに一昔前は、手書きで帳簿を付けなければならなかったため、簿記の知識は必須でした。もちろん、今でも簿記の知識があったにこしたことはありませんが、経理ソフトの登場により、誰でもできる仕事に変わっています。
経理ソフトの強みは瞬時に計算してくれる点と、やり直しが容易な点にあります。そのため、借方、貸方の区別がおぼろげでも、ひとまず打ち込んでみて、金額が合わなければ、また打ち込み直せば済みます。そして、こうした作業を繰り返しているうちに、発生する取引はだいたい限られていますから、自然と打ち込みのパターンを覚えてしまうものなのです。
ですから、今や経理の仕事はアルバイトでもできる「データ入力作業」になっているといってもいいでしょう。簿記の知識が中途半端にある人より、パソコンの知識やセンスのある人のほうが、経理に向いているのです。
その気になれば、社長自らが会計ソフトを使いこなすことも難しい話ではありません。確かにはじめの1カ月は大変でしょう。けれども、前述のように、発生する取引は限られていますから、翌月以降はぐんと楽になっていくものなのです。小さな会社であれば、月に2~4日もあれば、経費精算から帳簿付けまで、経理の仕事をあらかた済ますことも可能でしょう。
すると、その2~4日のために、経理社員を抱えている意味が果たしてあるのかという問題が浮上してきます。もし社長が「決算だけ」を決断し、自ら経理担当となれば、経理社員の人件費までまるまるコストを削減できるのです。