使っていないアルコール消毒を“フェイク掲示”
厚労省が否定する食品添加物に固執する無印

 最後にコロナ対策の有効性について考えたいのが、無印良品を手掛ける良品計画の対応だ。

 国内初のホテルを併設した無印良品の店舗が東京・銀座にオープンしたのは19年4月のこと。コロナ禍を受けて、その店舗の入り口やエスカレーター付近には、やはり消毒液を入れたとみられるポンプ付きの容器が置かれるようになった。「アルコール消毒をお願いいたします。」と書かれたパネルと共に(下写真)だ。

MUJIのアルコールフェイク消毒液MUJIのアルコールフェイク消毒液 写真:読者提供

 だが、実は中身はアルコールではなかった――。手に取っても、アルコール消毒液特有の臭いや手触りがしない。ダイヤモンド編集部記者が11月中旬、同店の従業員に確認したところ、ボトルの中身はアルコール消毒液ではなく「ファースト・クロラスウォーター」という商品名の「亜塩素酸水」だと説明した。アルコール消毒液の調達が困難であるため、代替品として使用してきたのだという。

 アルコール消毒を呼び掛けるパネルは後に撤去されたそうだが、同社の店舗運営のずさんさを物語って余りある。

 ただ、マスクとともにアルコール消毒液が不足していた3~4月ならともかく、都心のドラッグストアでは10月ごろから大量のアルコール消毒液が店頭に並ぶようになり、今では特売品となっているほどだ。国内外に多数の店舗網を築き上げ、20年2月期の連結売上高4387億円を誇る良品計画が、なぜ今なお、個人商店でさえ使用しているアルコール消毒液を調達できないのだろうか。

 銀座の無印良品で使われていた亜塩素酸水は、大阪市の食品添加物メーカー、三慶グループ製のものだという。

 同社のホームページによると、亜塩素酸水は次亜塩素酸水と比べ、有機物に反応しにくいため、汚れが付いた表面に対しても殺菌効果が強く、その効果が長持ちするのだという。

 また新型コロナウイルスについても、亜塩素酸水とウイルスを混合した試験で「ウイルスは完全に不活化された」との結果が出たともホームページに記載されている。

 とはいえ、それがアルコール消毒液と同様に手指の消毒に有効だとは一切書かれていない。

 良品計画の広報担当者は、この試験記録を基に、亜塩素酸水は新型コロナウイルスの不活化に有効であるとし、「今後も店頭での使用を続けていく所存でございます。これ以上は返答いたしかねます」と回答した。アルコールではなく、亜塩素酸水での“消毒”にあくまでこだわる考えだ。

 だが、次亜塩素酸水も、NITEが行った一定の条件下の検証では効果があるとされたが、すき家のような使い方では効果は薄いと散々指摘されているのだ。亜塩素酸水については、そもそもNITEの検証の対象にすらなっていない。