財務諸表から
取引先の経営状況を確認
小宮コンサルタンツ代表
新型コロナウイルスの影響により業績が悪化している企業は少なくありません。それが当社のお客さまの取引先さんであった場合、すぐに対策を立てる必要がありますが、先方に「資金繰りは大丈夫ですか」と直接聞くわけにもいかないことが多いものです。
取引先が上場企業であれば、業績を示す財務諸表が公開されているので、そこから資金繰りや経営状況を確認することができます。
まずは貸借対照表から「手元流動性」を調べます。これは、「現金、そしてすぐに現金化できる資産がどれだけあるのか」を示す指標です。すぐに現金化できる資産は、(流動資産に属する)有価証券などです。
次に、この手元流動性が「月商の何カ月分に相当するのか」を確認します。月商は、通常は年商を12で割ったものですが、月によって大きく振れ幅がある場合には、直近の3ヶ月を3で割ったものを使うこともあります。