デキる人は「がんばり8分目」
で動いている

 ハーバード大学医学部提携の名門精神科病院、マクリーン病院で「完全主義」カウンセリングコースを率いていた、ジェフ・ザイマンスキ博士による「完全主義者の分類」を基に、わたしが考えるプラスの完全主義の特徴は、次の3つです。

 「不完全や失敗を受け入れる力」
 「ポジティブな結果を達成する動機」
 「自分の意志と判断で行動する」

 一方で、マイナスの完全主義としては、次のような特徴が挙げられます。

 「不完全、失敗を恐れてしまう」
 「ネガティブな結果を避けたがる傾向」
 「他人の価値基準で判断・行動する」

 ニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手は、完全主義についていくつかの興味深い発言をしています。

 「7割から8割の力でやることが、10割を引き出す可能性があるっていう考え方ですよね」
 「でも、コレ(10割)では長い期間やることはできない。改めて精神的に7割、8割でいることは、大事なことだなと感じました」

 イチロー選手でも6、7割の打席では凡退しているわけです。人一倍、10割の不可能さを認識していると思うのです。イチロー選手に限らず、プロフェッショナルはこのような「心の余白」のような部分を経験的に持っているのでしょう。この余白こそが「2割」程度ではないか、というのがわたしの仮説です。

 デキる人は、不完全や完璧でない部分を自分から積極的に受け入れ、腹8分目ならぬ、がんばり8分目で動いているのです。この心構えが、プラスの完全主義の特徴といっていいでしょう。