グレーゾーン思考があれば
あなたの心はラクになる

 うつ病などに対し、薬物療法と同じぐらい効果のある治療法として実証されているのが、「行動認知療法」です。これは、考え方のクセや間違ったパターンに働きかけて自分の誤った思考のパターンを修正していくという治療法です。

 白か黒か、ゼロか100か、勝ちか負けか。完全主義傾向のある人は、二分法で考えがちです。認知行動療法では、「グレー」「引き分け」「50」の部分を認めましょうと、しつこく指導していきます。なかなか1回で身に付くものではありませんが、

  ●「黒」と考えてしまっていたけど、見方を変えれば「黒っぽいグレーになりうる」
  ●「わたしが100%悪い」と思っていても、ほかの条件を考えれば「自分の責任は50%前後」ではないだろうか
  ●出世では先を越されたが、あいつの栄転先はハードで家族といる時間はほとんどない

 など、治療の段階でさまざまな見方、価値観を話し合っていくことで、長い目でみれば性格の「カド」が取れていくことも多いのです。

 前ページで触れた5つの特徴の中に、ひとつでも自分に当てはまるものがある人は、心の中に「グレーゾーン」思考を取り入れてみてはいかがでしょうか。「8割できれば大成功」「2割だけ手を抜いてみようかな」程度の気楽さでいいのです。

(本稿は『今の働き方が「しんどい」と思ったときの がんばらない技術』西多昌規著からの抜粋です)
 


◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆

『今の働き方が「しんどい」と思ったときの 
がんばらない技術 完全主義を手ばなす35の処方箋』


好評発売中!

小さい頃から「がんばり屋さん」<br />と呼ばれていませんでしたか

「部下や同僚に仕事を任せることができない」「やってもやっても仕事が終わらない」「やりかけの仕事があると不安で落ち着かない」「いつも『時間が足りない』と思っている」「やらなきゃと思いつつ、つい『先延ばし』してしまう」「捨てられないものがたくさんあり、結局片づかない」。ひとつでも当てはまるものがあれば、あなたの中の「マイナスの完全主義」が、心がしんどくなる原因です。本書は、精神科医・医学博士の著者が、最新の脳科学データを読み解き、成果の出ない「マイナスの完全主義」を、成果の出る「プラスの完全主義」に変える方法を紹介していきます。

ご購入はこちら![Amazon.co.jp][紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス]