グレーゾーン思考があれば
あなたの心はラクになる
うつ病などに対し、薬物療法と同じぐらい効果のある治療法として実証されているのが、「行動認知療法」です。これは、考え方のクセや間違ったパターンに働きかけて自分の誤った思考のパターンを修正していくという治療法です。
白か黒か、ゼロか100か、勝ちか負けか。完全主義傾向のある人は、二分法で考えがちです。認知行動療法では、「グレー」「引き分け」「50」の部分を認めましょうと、しつこく指導していきます。なかなか1回で身に付くものではありませんが、
●「黒」と考えてしまっていたけど、見方を変えれば「黒っぽいグレーになりうる」
●「わたしが100%悪い」と思っていても、ほかの条件を考えれば「自分の責任は50%前後」ではないだろうか
●出世では先を越されたが、あいつの栄転先はハードで家族といる時間はほとんどない
など、治療の段階でさまざまな見方、価値観を話し合っていくことで、長い目でみれば性格の「カド」が取れていくことも多いのです。
前ページで触れた5つの特徴の中に、ひとつでも自分に当てはまるものがある人は、心の中に「グレーゾーン」思考を取り入れてみてはいかがでしょうか。「8割できれば大成功」「2割だけ手を抜いてみようかな」程度の気楽さでいいのです。
(本稿は『今の働き方が「しんどい」と思ったときの がんばらない技術』西多昌規著からの抜粋です)
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