短時間睡眠の睡眠薬服用者はメタボが多い――自治医大
睡眠薬の使用とメタボリックシンドローム(MetS)の関連が明らかになった。睡眠薬を使用している短時間睡眠の人でMetSの頻度が有意に高いという。自治医科大学が地域住民対象に動脈硬化危険因子の検証目的で行っている「JMS-IIコホート研究」のベースラインデータを解析した結果だ。同大学地域医療学センター公衆衛生学の石川鎮清氏らの論文が、「Journal of Epidemiology」に11月7日掲載された。
疫学研究からは、睡眠時間がMetSや心血管疾患の有病率と相関することが示されている。一方、睡眠障害に対し睡眠薬を使用することが、心血管転帰にどのような影響を及ぼすのかは結論が得られていない。睡眠薬の使用によって睡眠時間が増えたり睡眠の質が改善することで、血圧や血糖に好ましい影響を与えるとする報告があるのとは反対に、睡眠薬の使用と心血管イベントの増加の関連を指摘する報告もある。そこで石川氏らは、JMS-IIコホート研究のデータを用いて、睡眠薬の使用とMetS有病率との関連を検討した。