吉野家Photo:PIXTA

前回は、アルコール消毒液をあくまでも使わないゼンショーホールディングス(HD)、良品計画の来店客への“消毒”方法を検証した。だが、吉野家HDや、紳士服のコナカも同様に、厚生労働省が「推奨しない」と指摘する次亜塩素酸水を使用していたことが分かった。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

吉野家はアルコール容器に“別物”を充填
匂いせず、「消費期限は10日」と表示

 レジ横に「アルコール」と書かれた赤いシールが貼られた小型のポンプ。新型コロナウイルスの感染者数は増加し続けており、不安は募る。食事前の手指の消毒という予防策の基本として、ポンプを一押し。あれ、アルコール特有の鼻を刺す匂いがしない。赤いシールの上には「消費期限 10日間」と書かれたシールが重ねて貼られている。10日間しかもたないのか?

フェイクアルコール容器写真:読者提供

 一見、アルコールとしか思えないこの謎の“消毒液”、実は牛丼チェーン大手の吉野家に置かれていたものだ。12月初旬、記者が確認した。内容物を従業員に確認したところ、「アクア酸」(下写真)という茶ばんだ液体を水で希釈して、くだんの「アルコール」とシールが貼られたポンプに詰めているのだという。

アクア酸写真:読者提供

 これで十分な手指消毒ができるのだろうか。吉野家ホールディングス(HD)広報によると「アクア酸」は現在使用しておらず、ポンプの中身は次亜塩素酸水だという。