アメリカ移住を決めた意外な理由
佐渡島:僕がすごいなと思うのは、二人がアメリカに移住までしたという点です。どういう狙いだったのでしょう。
川原:その経緯は本にも盛り込んでいますが、嘘のような本当の話があるんです。
まず、アメリカで英語版が出版された後、有力紙「ニューヨークタイムズ」で注目されたことをきっかけに、ベストセラーランキングの1位を取れて、それも70週以上連続で、1位になったんです。
現地の取材も増えて、1年の半分くらいをアメリカで過ごす生活になってきた。その頃から移住の選択肢はちらちらと浮かんでいました。でも、なかなか踏ん切りがつかなかったのは、英語力の問題です。実は二人とも英語に自信がなくて移住に及び腰だったんです。
でも、ある時、旅先のホテルで自分たちより若い従業員が、外国人客と流暢に会話している姿を見て、心が揺さぶられた。「ウジウジしている場合じゃない。思い切って渡米しない限り、英語もしゃべれるようにはならない」って。
佐渡島:それで決められるのがすごいですね。
川原:最初は大変でした。カフェのオーダーさえままならず、「モーニングベーグルください」って頼んだのに、なぜかターキーサンドイッチが出てきた(笑)。交換してほしいと伝える英語力もないから、黙って食べるしかない。そんな情けないスタートでした。
佐渡島:励まされるエピソードですね。川原さんがこんまりさんのプロデューサーになると決めたきっかけは何だったのでしょうか。