新型コロナウイルス感染症が欧州全域に広がった今年春、ドイツの対応は喝采を浴びた。しかし同国当局は今、制御不能の状態に陥りかけているのではないかと懸念している。新型コロナによる今年前半のドイツの死亡率は、世界的に見て最も低い部類に入っていた。感染者数は大規模な近隣諸国の大半より少なかった。病院の救急用ベッドが不足することは一度もなかった。これらの状況から判断して、ドイツ政府は欧州域内で最も緩い部類のロックダウン(都市封鎖)を行った。しかし現在、フランスとイタリアの新規感染者数が11月半ばのピークを下回っているのに対し、ドイツの1日当たりの感染者数と死者数は、毎週のように過去最多を更新している。このため医療システムは限界に近づいており、政府はより強力なロックダウン措置を強いられることになった。
「コロナ優等生」ドイツ、なぜ危機的な状況に?
欧州第1波では傷が浅かったが今や感染が急増
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