企業の業績が悪化した場合、最初に削られる経費は社員教育費が多いようです。業績低迷の中、そこに経費をかける余裕がないということもあるでしょうし、研修を受けている時間は、社員は営業することができないので売り上げが作れません。ですので、研修は非生産的だと捉えている企業はまだまだ多くあります。実際、ここ数年、徐々に景気が後退していく中で、企業の1人当たりの教育研修費は下降傾向にありました。

 ただ、「企業は人なり」といわれるように、働く人たちが成長しなければ企業の成長はありません。ですので、コロナ禍のような、不測の事態を乗り越えるためには、社員教育を強化し、企業としての土台をしっかり固めて体力を増強することが必要なのです。

 また、投資という視点で見れば、最もリターンの良い投資先は「人」だといえます。投資で得た利益には課税されます。銀行に預けた場合は、わずかな利息へも20%課税されます。一方、人への投資によるリターン、つまり、人が育つことに対して課税されることはありません。ですので、人への投資を最優先にするべきだと私は考えます。

オンライン研修の
2つの種類を把握する

 集合研修が難しい状況下でも、ビデオ会議システムを使えば、まったく同じとはいえませんが、オンライン上で集合研修を行うことは充分可能です。オンラインで研修を行うときのポイントを3つご紹介しましょう。

 ポイントの1つ目は「オンライン研修の2つの種類を把握する」ということです。

 オンラインで行う研修は、リアルな会場で行う集合研修のオンライン版である「LIVEセミナー型」と、あらかじめ録画された研修のビデオを視聴することができる「オンデマンド型」の2つのスタイルがあります。