(3)業界再編が進む
(2)のような状況もあり、さらには人口減少などから、業界自体が構造変化を起こし、大変革が起きる可能性がある。現在働いている会社がなくなることはないかもしれないが、社名が変わる可能性はかなりある。2つの社名をくっつけてやたら長い名前になるとか、横文字の社名になるとか。いよいよ会議は英語で行うようになるかもしれない。しかし、オンライン会議用の同時翻訳字幕作成機能の発達はめざましいので、そうなった場合でも、今後は英語が不得手であることを嘆く必要はないかもしれない。
(4)ハラスメント問題の増加
リモート下で対人ストレス耐性が低下すれば、コロナ前と同じメンタリティーで仕事をする人との意識ギャップが広がり、ハラスメント案件が大幅に増加するだろう。それでなくても、昨今は「○○ハラ」の話題には事欠かない。企業は対策をしっかりとしておかなくてはならない。
(5)仕事へのモチベーション問題の顕在化
仕事の維持に汲々(きゅうきゅう)とする状況が生まれる一方で、会社の仕事に対する情熱レベルが大幅に下がり、もっと自分らしい生き方をしたいという意識も高まるであろう。ワーケーションなどが爆発的に増えるということはなくても、仕事に対する優先順位やかける時間は下がり、仕事や会社は「ワンオブゼム化」する。企業は働く意欲を向上させるための誘因体系の設計にこれまで以上に頭を悩ますようになるだろう。
いずれにしても、来る2021年は今年とは性質の違う意味でのストレスフルな一年になるであろう。周りの状況をしっかりと見て判断し、自分にとって適切な意思決定をしていきたい。来年も頑張っていきましょう!
(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)