新業態のコンセプトは
メガトレンドの先読みや現場観察から考える

御立:御社の中は土屋さんが先読みしながら新業態のコンセプトをつくり、軌道に乗ったら渡していくといった役割分担をしているのですか。

土屋:私が客層拡大戦略の中でコンセプトを決めて新業態の立ち上げを行い、軌道に乗った時点でオペレーションの達人である社長に渡します。
新業態のマニュアル化、標準化が図れれば百年間の競争優位を築けます。実際、WORKMAN Plus、#ワークマン女子も10店舗できたら、そうしようと思っています。

御立:土屋さんがゼロイチをやって、その後の1から10、10から100は別の人にまかせる。1から10、10から100はエクセル経営でマニュアル化、標準化をしていく。

土屋:そうです。ただしWORKMAN Plusも#ワークマン女子もいずれ全国に行き渡れば、再び飽和感が出るでしょう。市場は変化し続けるので、次の準備をしています。

御立:どんなふうにコンセプトを考えますか。

土屋:まず、作業服という事業ドメインを機能性ウェアに置き換えました。
これまでは作業用だったものを機能ウェアと考えるとアウトドアにも使えます。このアウトドアに当たるものがコンセプトです。一般的には、社会、経済、技術、生活環境などの分野から、インパクトを及ぼす可能性があるメガトレンドを特定し、その将来の影響を先読みします。その中でコンセプトを抽出します。

御立:コンセプトを社員と議論することもありますか。

土屋:もちろんです。社員は作業服で40年間やってきています。お店では「このお客様はこの製品を○○の用途」で買いに来ていると気づく社員がいます。この○○はそのままコンセプト候補になります。

御立:コンセプトは無数に存在しそうな気がします。