首脳会談でひじを合わせる菅義偉首相(右)とオーストラリアのスコット・モリソン首相/11月17日、首相官邸首脳会談でひじを合わせる菅義偉首相(右)とオーストラリアのスコット・モリソン首相/11月17日、首相官邸 Photo:Bloomberg/gettyimages

 日本と豪州が、他国の攻撃から相手国の艦船などを守るといった内容で合意した。事実上の同盟関係と言えるが、対中紛争のリスクなどの議論は置き去りだ。AERA 2020年12月28日-2021年1月4日合併号では、そのリスクについて取り上げた。

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 安倍晋三前首相は中国との友好関係を望む一方で「自由で開かれたインド・太平洋」を旗印とし、対中包囲網に事実上参加した。

 海上自衛隊は07年から米国、インドの海軍共同演習「マラバール」に参加したほか、米、豪海軍との演習も行ってきた。今年11月、インド東方のベンガル湾とアラビア海で行われた「マラバール2020」には豪州海軍が参加。初めて米印日豪4カ国の合同演習となり、中国に対抗する「アジア版NATO」結成の様相を示した。