著名投資家のウォーレン・バフェット氏を差し置いて「投資の偉人ナンバーワン」だと筆者が考えるのが、インデックスファンドの生みの親である故ジョン・C・ボーグル氏だ。彼の著書をひも解きながら、三つの「足るを知る」というメッセージを基に、彼がいかに偉大であるかをお伝えしたい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
著名投資家バフェット氏を上回る
投資の偉人ナンバーワンは彼で決まり
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で日米の株価が高値を更新している。今回は、こうした状況下にあって、ぜひ読んでもらいたい本を一冊紹介する。
インデックスファンドの生みの親としてし知られる故ジョン・C・ボーグル氏の著書『人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」(山崎恵理子訳、文響社)をお勧めしたい。かつて『波乱の時代の幸福論』(武田ランダムハウスジャパン)というタイトルで刊行されていた書籍の新装再刊だが、投資、金融、ビジネス、人生などに示唆の多い本だ。
日本の資産運用業界から見て大変うらやましいことに、米国の運用業界には投資の世界を変え、多くの投資家に良い影響を与えた、「投資界の偉人」と呼ぶに値するスターが複数いる。
今なら、多くの人が一番に名前を挙げる「投資界の偉人」は、オマハの賢人と呼ばれ、長年優れた運用成績を残してきた富豪のウォーレン・バフェット氏だろう。正しい投資法の手本を自らの投資で示したこと、株主としての振る舞い方、倹約家の私生活など、良き投資家像として完璧に近い人物だ。
しかし筆者は、「投資界の偉人ナンバーワン」として、本書の著者であるボーグル氏を推したい。