首都圏「中学受験」、緊急事態宣言下の最新動向【2021年入試版】グラウンドを臨時駐車場として開放した栄東。地元の大宮以外にも、千葉や練馬、品川など広い地域からのナンバープレートが見られ、400台の収容スペースは9割方埋まっていた(1月10日)

意外と減らなかった志願者と受験者数

 例年、隣接する東京や千葉あるいは神奈川などからも腕試しの受験生が押し寄せる埼玉だが、2020年秋口に4つの模試の志願者状況で予想されたほどの減少は見せなかった。

 入試当日に受験を見合わせた受験生がどのくらい出たのか、実受験者数を見てみよう。第1回を10日と12日に選択制で分けた栄東では、10日志願者2983人、受験者2925人、12日は帰国生も含む志願者3061人、受験者2899人だった。両日合わせた受験率は96.4%(前年比▲2.0%)となった。合計220人の欠席者には追試験のお知らせを行ったという。

 もっとも、12日を選んだ受験生の中には、他校で10日か11日に合格を得て、受験に来なかったことも考えられる。そこで10日の受験率を見ると98%で、前年と遜色ない。初日に受けるべき受験生は受けていたとも考えられる。

 近年、受験者数の増加が顕著な大宮開成でも受験率97.0%(前年比▲0.5%)にとどまった。11日に第1回入試を行った獨協埼玉では、志願者数は2020年の1248人が今年は1210人と3%減だったものの、受験率はやはり97%と前年▲0.5%にとどまった。この点では、懸念されたほど大きな試験当日の受験生の回避の動きはなかったといえそうだ。

 栄東の第1回入試問題については、入試問題体験会と銘打って、無料公開シンポジウムをライブ中継で1月17日(日)18時から、親の技(スキル)研究会の主催によりZoomで実施する。主として小5親子向けだが、どのような時事問題が出題されたのか、新しい学習指導要領で示されているような問題は出ているのかなど、ご関心のある方は、こちらで事前申し込みをしていただきたい。