2021年の出生数は
「86万ショック」よりも悪化?

 日本の出生数は団塊ジュニア世代が生まれた1973年の209万1983人からずっと低下傾向が続いている。2016年に100万人を割りこみ、2019年には90万人にも達しなかった。86万5239人である。

 それまでの数年間の減少数は2万6000人から3万1000人だったのが、一気に5万3000人も少なくなった(図表2)。

 前年比5.8%減である。その前年2018年は同2.9%減で、さらにさかのぼった2017年は同3.2%減、2016年は同2.8%減だ。2019年の6%近い減少率は突出している。

 これには政府も驚愕(きょうがく)した。急減した出生数を「『86万ショック』と呼ぶべき状況」と記したのは、昨年8月に公表した2020年版の「少子化社会対策白書」。少子化社会対策基本法に基づき2004年から内閣府が毎年作成している。同白書では、本文の欄外にわざわざ「ショック」と書き込むほどの衝撃だった。

 大きな落ち込みは一時的なことなのか。それともこれからも続くのだろうか。

 人口問題の専門家の中には、「たまたまの下落にすぎない。かつての丙午(ひのえうま)ショックの時は、急落しても翌年には反動増が起きましたから」という見方もある(図表3)。

 あるいは「86万ショックの原因は分からない。しっかりした原因がないのだから、翌年から元に戻るはず」という楽観論も聞かれる。しかし、こうした見方はどうやら吹き飛んでしまいそうだ。コロナ禍が襲い掛かったからだ。