昨年12月以降の感染再拡大により鉄道業界も大きな打撃を受けている。政府は12月14日にGoToトラベルキャンペーンを全国一斉に一時停止すると発表。期間は12月28日から1月11日までとされたが、緊急事態宣言の発出に伴い、2月7日まで再延長となった。

 この結果、年末年始(12月25日~1月5日までの12日間)の利用状況は、JR東日本(新幹線・特急列車)が前年同期比33%、JR東海(東海道新幹線)が同32%、JR西日本(山陽新幹線)が同29%と大幅に落ち込んだ。

クラスターの発生で
運行本数を削減した大江戸線

 東海道新幹線の利用状況は、前回の緊急事態宣言が発出された昨年4月に前年同期比10%まで落ち込んでから、6月に同28%、9月に同38%、11月に同50%まで回復していたが、感染が再拡大した12月(1日~22日)は同40%に低下しており、今回の緊急事態宣言の再発出により1月はさらに減少が予想される。

 JR東海は昨年10月の中間決算発表に合わせて、「業績に影響を与える未確定な要素が多く、算定が困難である」として公表を見合わせていた通年の業績予想を、売上高8630億円、営業損失1850億円、経常損失2580億円として開示した。

 しかしこれは「足元のご利用状況が年末まで継続し、その後回復基調となると想定して業績予想を算定」したものであり、緊急事態宣言の再発出により、業績の下振れは避けられないだろう。これはJR東海に限った話ではなく、全ての鉄道事業者に当てはまることであり、業績回復への道はさらに遠のくことになる。

 感染の拡大は鉄道の運行にも影響を及ぼしている。乗務員にクラスターが発生したことで、運行本数削減を余儀なくされたのが都営地下鉄大江戸線だ。

 東京都交通局の発表によると、大江戸線清澄乗務区所属の50代男性運転士が12月11日の勤務後に発熱し、15日に感染が判明した。続いて20日に40代男性運転士、22日に50代男性運転士の陽性が判明し、23日から25日にかけて同乗務区所属の運転士12人の陽性が判明した。

 最終的に12月15日から1月7日までの間、清澄乗務区職員のうち、有症状で新型コロナウイルス感染が確認された者は20人、無症状の全職員を対象とした自主的スクリーニング検査により陽性となった者が19人、感染者の濃厚接触者として自宅待機とされた者が4人という集団感染が発生してしまったのである。東京都交通局では、清澄乗務区の運転士が共用している休憩室やロッカー室で感染が広がったとみており、清掃消毒を実施したとしている。