一読のすすめ

 要約で紹介した以外にも、本書には著者ならではのこだわりの農法の解説が満載だ。例えば、まだ研究の余地が大きいという苗作りは、著者が試行錯誤しながらの研究を楽しんでいる様子がうかがえる。本質にたどり着くまで、徹底的に検証を繰り返す著者の姿勢は、多くのビジネスパーソンに刺激を与えてくれることだろう。

 本書を読んだら、「ここまでこだわって作っているなら」と、1本1万円のネギに興味が出てきてしまうかもしれない。農業について興味のある方はもちろん、ビジネスを進めるためのヒントを得たい方には、本書を一読することをお勧めしたい。

総合3.7点(革新性4.0点、明瞭性3.5点、応用性3.5点)

著者情報

 清水 寅(しみず つよし)

 1980年、長崎県生まれ。長崎県内の高校を卒業後、金融系の会社に就職。20代で7社の社長を歴任。その後、親戚からの勧めもあり脱サラ、2011年より山形県天童市にてネギ農家を始める。2014年にねぎびとカンパニー株式会社を設立。同社代表。「初代葱師」を名乗り、様々な苦難を乗り越え、2015年に糖度19.5度、2017年には21.6度のネギを作り上げる。現在は、「真の葱」「寅ちゃんねぎ」「キスよりあまい ほうれん草」などブランド野菜を農地10haにて栽培。2019年より、300万本に10本しかとれない奇跡のネギ「モナリザ」の栽培に挑戦。同年山形県ベストアグリ賞受賞。2020年からは全国のホームセンターにてネギ苗、タマネギ苗の販売も開始。日本の農業に一石を投じたいという夢を持ち、美味しさを徹底追求しながら世界で戦える農業経営を目指している。

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