確かに、日本のICUは米国の5分の1であるが、100万人当たりの累積のコロナ感染者数は米国が7万414人に対し、日本は2459人であり、米国の29分の1である。100万人当たり累積の死者数は、米国が1174人に対し日本は32.6人であり、36分の1だ。

 米国は医療崩壊に近いといわれるかもしれないので、ドイツの数字を挙げておくと、日本のICUはドイツの4分の1であるが、100万人当たりの累積のコロナ感染者数はドイツの2万4053人に対し、日本は10分の1である。100万人当たり累積の死者数は、ドイツの540人に対し日本は17分の1となる(2021年1月14日現在、https://ourworldindata.org/coronavirus)。

医療従事者も3割少ない程度
医療崩壊する方がむしろおかしい

 死者の数は、重症患者の数とほぼ比例しているだろう。もちろん、病床やICUの数の問題ではなく、そこで働くスタッフの充実度が大事である。

 だが、日本の医療関係者の数は、他の先進国並みか、3割ほど少ないだけだ。人口1000人当たりの医師は、フランス3.4、ドイツ4.3、イタリア4.0、英国3.0、米国2.6、日本2.5、韓国2.4である。

 人口1000人当たりの病院での雇用者数(看護師、医療技師、事務職員/フルタイム換算)は、フランス17.5、ドイツ12.1、イタリア10.5(フルタイム換算していない。フルタイム換算すると1~3割減少する)、英国20.5、米国18.4、日本16.5だ。イタリアと韓国は非フルタイム換算でそれぞれ10.5、7.8だが、フルタイム換算すると1~3割減少する(OECD.Stat)。

 すなわち、日本の医療従事者数は米国と大して変わらず、コロナ感染者、死者数は米国の30分の1程度だということが分かる。

 欧米先進国と比べた日本のコロナ患者数は圧倒的に少ないのだから、医療崩壊するのがおかしい。日本には160万の病床があるのに、コロナ患者を受け入れることのできる病床は5万4049床であり(2021年1月13日。COVID-19 Japan新型コロナウイルス対策ダッシュボードhttps://www.stopcovid19.jp/)、3.4%にすぎない。なぜ3%のコロナ患者のために病院が崩壊するのだろうか。

 幸いなことに、なぜ日本はコロナ患者の増加に対応できないのかと、医師で医療ジャーナリストでもある森田洋之氏(その著書は『日本の医療の不都合な真実』幻冬舎新書、2020年)はじめ多くの人が論ずるようになった。