80代で糖尿病でも入院できず死亡
受け入れ病院「偏在」で都に集まる批判

 コロナ禍の中での出産への不安は大きく、妊婦への一定の支援が実現したこと自体は歓迎されるべきだ。それにしても、7月に都議選を控える都議たちが、ここぞとばかりにアピールにいそしむ姿が目立ったのも事実である。

 ちなみに妊婦以外の患者の転院費用は支援対象外だ。小池知事はその理由について、健康保険の適用の有無に触れ「出産についてはその対象にはなっておりませんので、その違いが他の疾病を抱えておられる方の入院者とは違うという点であります」と語った。妊産婦と同等かそれ以上のハイリスク患者もいるはずだが、支援の手が差し伸べられることはない。

 既存の入院患者に負担を強いても、それだけコロナ患者の効果的な治療につながるのであれば、まだ理解できるというものだが、そうではない。

 都によるコロナ患者の入院調整が十分に機能していないという現実は、「入院・療養等調整中」とカウントされるコロナ患者が都内で7539人、自宅療養が8966人(いずれも19日午後8時現在)おり、80代で糖尿病の基礎疾患があるコロナ患者の男性の入院先が見つからず、今月11日に自宅で死亡した事案からも明らかだ。

 読売新聞は1月20日付朝刊の1面トップと社会面で、都内のコロナ患者の入院先について、都内に14ある高度医療が可能な「特定機能病院」のうち、8病院の受け入れが3人未満と少なく、一部の病院に負担が大きく偏っていると報じた。快方に向かって人工呼吸器が取れた患者を系列の中規模病院に移しているという病院関係者の「本来、こうした調整は都が行うべきだが、全くできていない」というコメントも紹介している。