たくさん服はあるのに、今日着る服がないのは、あなたが服を持ちすぎているからかも?
新しい服を買うのをやめて、手持ちの服だけで過ごしてみると、意外と定期的に買い続けなくてもおしゃれはできるということが分かってきます。NYで話題の必要最小限の、確実に着る服だけのワードローブのつくり方を紹介した書籍『もう、服は買わない』。今回は、前回に引き続き、120→33着に減らした担当編集Nと、148→33着に減らしたKさんが、33アイテムで過ごしてみたその後......について紹介します。――2人はその後どうなった? 後編です。

緊急事態宣言発令で、33アイテムに誤差が……?

服を33着まで減らした人が<br />始めたこと、やめたこと(後編)photo: Adobe Stock

担当編集N:前回、「正直、少し飽きた」とおっしゃってたんですが、それでも買いたくはならないんですか?

Kさん:そう。もともとはプリントが面白いとか変わったボタンを使ってるとか遊びのあるデザインも好きで、セールの時にそういう変わり種に手を伸ばしがちで。でもそういうものはやっぱり主力にならないし、そういうものこそすぐ飽きるということもわかったのでもう買わない。

あと、これは年齢的なことかもしれないけど、デザインよりも着心地が大事になってきたし、体型も変わってきたので、あまり変なものを買いたくないんです。

担当編集N:着心地は私もどんどん重視するようになってきてます。30歳くらいの時は、寒くても大丈夫! みたいな感じだったけど、もう全然大丈夫じゃない(笑)。

Kさん:つくりがよかったり素材がいい服は体が楽。

担当編集N:本当にそう思います。それに高いもののほうがシワにならないとか、型崩れしないとか、いろいろな意味で結局楽。

Kさん:まさにそれ。そういうものはセールではなかなか出会えないよね。

それと、飽きるということでいうと、緊急事態宣言のせいもあると思う。家にいることが多くなって、気が向いたときにヨガとかエクササイズをやりたいから、動きやすい服ばかり着ているんだよね。それだと、最初に選んだ33着の中でも全然着ない服があるわりに、運動できる服が足りなくなって。これは予想外でした。

担当編集N:それはほかの方も言ってました。だと気候とかライフスタイルの変化によって、33着は臨機応変に入れ替えてもいいというルールがあるので、そこだけ入れ替えてはどうでしょう?

Kさん:なるほど。緊急事態宣言用の33着に(笑)。

担当編集N:あと、最近面白いことに気づいたんですけど、本当におしゃれな人って、いっぱい服を持っているというより、季節を細かく捉えて、その都度着るものを入れ替えているような気がします。何というか、ここでいう33アイテムの期間が短い気がするんです。

『もう、服は買わない』で冬は3ヵ月間ですけど、11月の末頃からの薄手のウールコートを着るような時期と、裏地のあるしっかりしたコートをメインに着る時期と、気温がマイナスになるようなダウンを着る時期、1ヵ月ずつ分けて捉えているように思います。

例えば1週間に3回会うといつも同じような服なのに、先週と来週ではヘビロテしている服が全然違っていたりする。これだと季節に的確に合った装いができるので、素敵に見えるし、自分自身も快適に過ごせそう。細かく替えるので、飽きることもなさそうですし。

服を33着まで減らした人が<br />始めたこと、やめたこと(後編)Kさんも、寒くなってきたのでダウンを追加し、アウターを入れ替えた

Kさん:なるほど。ざっくりと冬を3ヵ月ととらえると、その中でいくら数を使って着まわしてもそもそものアイテムが同じだから12月の着まわしも2月の着まわしも同じになって、つまらなくなってしまう。確かに12月の33着と1月の33着、2月の33着はそれぞれ変えた方が新鮮で気分が上がりそう。

担当編集N:全部入れ替えなくても、例えばトレンチ → コート → ダウンと、寒さに合わせてメインのアウターを入れ替えたり、ニットも寒くなってきたら薄手のウールより、カシミヤや、厚手のウールを多めにしたりと、微調整するだけでもいいですよね。私は寒くなってくるとインナーを、ユニクロのエアリズム → ヒートテック → 極暖と替えてますが、そんな感じでしょう(笑)

私は他にもファッションの本を担当していますが、ファッション業界の人には、こういう人が多い気がします。

Kさん:「飽きる」ということの打開策として、色物とかデザインものがあったほうがやっぱりいいのかなと思っていたんだけど、さっきも言ったようにそういうものこそすぐに飽きる。それよりも、33アイテムの期間を短くすればいいのか!

担当編集N:そんな気がしました。そこでわたしもその視点で梅春っぽいものを仕入れて、ちょっと冬の33アイテムをアップデートしてみようかと!

Kさん:アップデートしたいときに新しく買わなくても、本に書いてあった通り、しばらく隠しておいたものを久しぶりに出すだけで新鮮に見えるということもあるよね(笑)

担当編集N:確かに。こんなのあった!って上がりますね。そもそも好きで買っているはずなので、自分好みのものは、やっぱり店よりも家にあるんですよ~(笑)

Kさん:そう、これけっこういいじゃん!とか思ったり(笑)。でもそのときに、やっぱりセールで買ったものや安いものってあまり上がらない(笑)。

担当編集N:わかる。「わぁ!これ着よう!」ってならない(笑)。最初にそこまで気に入ってないものは、いつまでも上がらないんですよね。

Kさん:真理だと思う。だからもう、そういうものはいらない。

1ヵ月やってみて、いろいろな発見がありました。毎日の服選びも、服の片付けも、買い物にも無駄がなくなって、ほんとにスッキリしたなーというのが実感です。

今回は、前編に引き続き、担当編集NとKさんが「3ヵ月33アイテムで過ごす」をやってみてどう変わったかを紹介しました。色々な発見があったし、本には「こんな時、どうしたらいいの?」というアドバイスがたくさんあるので、自分なりにアレンジしながら、楽に続けられます。『もう、服は買わない』では他にも、捨てていい服の判断基準や、具体的な服の減らし方、必要最低限のワードローブのつくり方、必ず使う服の見極め方、無駄買いを防ぐ方法などたくさんご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。