ポータブル手洗い機誕生の
背景は災害支援

 WOTA株式会社は、手洗い機に先駆けて、「WOTA BOX」というポータブル水処理プラントを2016年から開発している。手洗い機同様の原理で、使用した水を再生・循環させ、再利用する装置だ。手軽に持ち運べ、専用のシャワーキットを接続することでプライバシーを確保してシャワーを浴びることができるとあって、キャンプ場、スポーツイベントなどで活用されてきた。特に効力を発揮したのが、災害時の避難所である。2018年の西日本豪雨をはじめ、数多くの被災地で利用された実績を持つ。

災害発生時に避難所で活躍した「WOTA BOX」。専用のシャワーキットに接続すると100リットルの水で、100人以上がシャワーを浴びることができる

 2019年、長野県を襲った台風19号は、千曲川が氾濫し甚大な被害をもたらした。2万人もの方が避難所で2カ月間もつらい生活を余儀なくされたが、ここでもWOTA BOXが避難者の助けになった。

「電気、ガス、水道といったライフラインが途絶えてしまえば、シャワーすら浴びることができません。通常、1人がシャワーを浴びるのに約50リットルの水を使いますが、この装置ですと100リットルの水があれば、100人以上の方にシャワーを浴びてもらうことができるのです。汗にまみれて疲れている方にホッと一息ついてもらうことができました」

 この台風19号が契機となって、ポータブル手洗い機が誕生することになる。

「災害支援の専門家の方々から、トイレの後、手を洗いたいという要望があったのです。その声を受けて、手洗い専用のプロトタイプを開発することになりました。その後、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた際にある飲食店チェーンの経営者の方から、お客様の手洗い用に店舗の入り口に設置したいという希望があり、製品化に踏み切りました」

 こういった経緯を経て、本格的に製品化されたWOSHだが、折しも新型コロナウイルス感染症の拡大により、「どこでも手が洗える」という機能が注目を集めていく。感染予防につながるとあって、現在、問い合わせが後を絶たない状態だ。