合同軍事演習の中止は
百害あって一利もない

 米韓合同軍事演習には2種類ある。北朝鮮との全面戦あるいは局地戦を想定した米韓連合軍の作戦計画に基づき両軍の陸海空軍・海兵隊によって行われる大規模なものと、米韓の同じ陸海空軍、海兵隊間で行われる小・中規模の演習である。

 前者はさらに、毎年3月に行われるコンピューターによる指揮所演習(キー・リゾルブ)、これに引き続き3月から4月に行われる野外機動演習(フォールイーグル)、および8月中旬に行われる指揮所演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」の3つがある。

 しかし、2018年のフォールイーグル演習とキーリゾルブ演習はトランプ大統領の指示により中止された。特にフォールイーグル演習は40年間、毎年陸海空軍、海兵隊が参加して行われ、2017年には韓国駐留の2万8000人に加え3600人が参加していた。

 トランプ大統領は、中止の理由として、「費用がかかり過ぎる」ことと「金正恩氏と交渉中なので善意のジェスチャーを」という2点を挙げている。

 だが、前者の費用についていえば、トランプ大統領は1億ドルというが、2018年の演習中止による節約額は1400万ドルにすぎない。

 また、後者について見ても、共産主義者は力関係を重視して戦略を考えるのが普通であり、善意の通じる相手ではない。一方的な譲歩は愚策である。現に北朝鮮は、この間にも核・ミサイルの開発を続けてきた。したがって演習を中止したことによるメリットは少なく、米韓連合軍の実戦能力を低下させただけである。