◎ポイント8:新型コロナワクチン接種に対して、会社がやるべきことは?

 私が自分のクライアントにまず伝えるのは、「それは医療の問題であるから、行政と個々人の判断に任せる」ということです。つまり、「会社が前面に出る場面ではないと思う」と伝えます。

 もちろん、仕事や家事で忙しい社員たちのために、ワクチン接種に関する情報を整理し提供することは大切です。これはしっかりやるといいと思います。

 実際のワクチン接種計画では、市町村がリーダーシップをとり、行うことが示されています。そして、われわれは住民票の住所によって管理されるようです。

 実際の接種場所は医療機関や特別に設置された接種会場などが予想され、会社が関与する部分はさほどないと思われます(診療所などを持つ会社は別の可能性もあります)。

 その上、実際に接種するか否かは、個々人の判断です。会社が関与できるところはあまりないのが実情です。

 米国では、ワクチン接種をした社員にお金などのインセンティブを払って動機付けをしている企業もあるようですが、国民性や企業文化を考えると、日本では、せめてワクチン接種にいく日を有給休暇にするくらいが現実的と感じます。

 新型コロナワクチンは、正社員だけが接種しても職場としての集団的免疫効果は限られます。ですので、特に、派遣社員などの非正規社員へも同様の配慮があるといいと思います(※私はクライアントには、毎年、季節性インフルエンザワクチン接種は、正社員も非正規社員も同様の福利厚生を与えることを進言していますが、今回も同じです)。

産業医から
会社や社員へのアドバイス

◎ポイント9:ワクチン接種で企業担当者が考えるべきこと

 ワクチン接種により集団的免疫を獲得するためには、その集団の70%以上がワクチンを摂取することが必要と言われています。

 接種も、接種有無の情報開示も強制することができない現状ではありますが、「四半期ごとにでも無記名で接種状況確認アンケート」を社内で取ることは可能だと思います。今後の会社での感染予防対策を検討する上での有用な情報になるかもしれませんので、担当者の方は考えてみてください。

 また、前質問と被りますが、集団的免疫獲得のために職場にいる非正規社員への対応も考えていただけると幸いです。