感度の高いインフルエンサーやビジネスパーソンを中心に熱い支持を受けてきた『直感と理論をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』という本をご存じでしょうか? 最近では、多くの教育関係者が、本書に載っている「ワーク」「エクササイズ」を積極的に教育現場で活用しているそうです。
「直感と論理をつなぐ」能力は、まさしく不透明な今の時代に求められていますが、その方法論はいったいどのように生まれたのでしょうか? 今回は著者の佐宗邦威氏に、この方法論の「出発点」とも言うべき世界観やイメージについて詳しく聞いてみました。(取材・構成/イイダテツヤ)

膨大なエクササイズの
「1つ」でも刺されば大成功

──『直感と論理をつなぐ思考法』には、たくさんの具体的な方法・エクササイズが載っていますが、これだけたくさんのメソッドを入れたのには何か理由があるんですか?

佐宗:「自分にはクリエイティビティがない」なんて言う人がいますが、じつのところ、日常的にエクササイズを続けていけば、誰でもある程度は「今ないものをつくっていく思考法」を鍛えていくことができます。「創造性」って、能力とか才能の問題というよりも、単純な「運動不足」であるケースがほとんどなんです。

 ただ、そのトレーニングをしていくときに、人によって「相性がいいメソッド」が違うのはたしかです。だからこそ、いろいろなやり方をとにかくたくさん紹介して、少しでも多くの人に使ってもらえるといいなということは意識しました。

──「自分に合いそうなもの」を選べるというのは、すごくいいですよね。私も本で紹介されているなかで、いくつかをやってみたり、紙に書いてみたりしました。

佐宗:どんな人でも、何か本を読んだあとに、実際に行動に移せることって、1個か2個くらいだと思います。でも、たとえ1つだとしても、それが「習慣」になったら、そのインパクトはものすごく大きくなる。だから、全部やっていただく必要はないんです。読んだうえで「これならやれそうかな~」というものを見つけていただけたら、すごくうれしいですね。

佐宗邦威(さそう・くにたけ)
株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー 大学院大学至善館准教授/京都造形芸術大学創造学習センター客員教授
東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科(Master of Design Methods)修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインプロジェクトが得意領域。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行っており、個人のビジョンを駆動力にした創造の方法論にも詳しい。著書にベストセラーとなった『直感と論理をつなぐ思考法──VISION DRIVEN』などがある。