教育に携わる人たちにこそ、
「直感と論理をつなぐこと」が求められている

──この本は発売されてから約2年が経ちますが、どういった人に多く読まれているんですか?

佐宗:数としてはビジネスパーソンがいちばん多いですが、スリートのコーチとか、福祉の現場にいる人たち、あとは教育関係の人たちからも、よく反響をいただきますね。とくに意外だったのが教育関係者です。この前もN高でワークショップをやりました。

「生徒が自分なりに感じていることをどう表現させるか」というあたりに問題意識を持っている先生方が、「佐宗さん、このメソッドは教育現場にこそ必要なものですよ!」と言ってくださいます。実際に教室でワークやエクササイズをやっている学校もあるみたいですね。

──具体的なワークが豊富なので「すぐに現場で使いやすい」というのも大きな魅力になっているんですね。これからもっと「こんな人に読んで欲しい」とか、「こういうふうに役立ててほしい」という思いはありますか?

佐宗:1つは、やっぱりビジネスパーソンですね。

 最近、リモートワークが増えている状況のなかで、「なんで、自分はこの仕事をしているのかよくわからなくなった」という人が増えていると聞きます。孤独なリモート環境のなかで「会社からアサインされた仕事」をただやっているだけだと、仕事の「意味」に疑問が湧き上がってきます。

直感と論理をつなぐ思考法』は、「自分なりの意味」をつくるための方法を紹介した本なので、そういうときにはかなり役立つと思います。「自分はこれをやるために、この仕事をしているんだ!」という発見につなげていただきたいですね。こういう意味づけが明確になれば、リモートだろうとそうでなかろうと、もっと自律的に楽しみながら働ける人が増えていくと思います。

 もう1つは、さっきも言ったとおり、教育現場の方ですね。ここにはすごくポテンシャルを感じています。

 学習指導要領などでも「創造的な学びが必要だ」という流れは強まっていますし、「どんな環境であっても、自分なりに価値をつくっていける子に育ってほしい」と思っている先生や親御さんたちも増えてきていますから。こうした方々にも、本書のメソッドはかなり有効なのではないかと思います。