実際、八郷ホンダ体制は、この間四輪車事業の立て直しが大きな経営課題であった。需給ギャップ調整へ生産能力縮小を迫られる中で、品質問題の対応にも追われた。

 最近のホンダの連結業績は、四輪事業の収益悪化を二輪事業で補うものになっているのが実態だ。

 ホンダ全体の売り上げの7割を四輪事業で占めるものの、利益の半分近くを2輪で稼いでいるのだ。また、ライフクリエーション事業(汎用事業)も小型ジェット機ビジネスが脚光を浴びたが、全体では損失を出している。

 ここ数年の四輪事業の採算性の落ち込みは大きく、四輪生産体制の見直しとして、21年中に英国工場、トルコ工場の生産撤退に加え、日本国内でも狭山工場の閉鎖を決定している。一方で、ホンダ内部で言うS(営業)・E(生産)・D(開発)・B(購買)のSEDB一体運営化へ向け、2020年4月にはホンダの“聖域”であった本田技術研究所の解体にも踏み切ったのだ。

 また、「F1からの卒業宣言」もあった。莫大な費用を要するF1再々参戦からの撤退であり、CASE投資などの「選択と集中への決断」であったということだろう。

 直近の21年3月期第四半期連結業績では、四輪事業では中国市場の急回復と米国市場の回復によってようやく、二輪事業ではインド・インドネシアの回復基調から、業績見通しを上方修正している。

GMとの協業拡大を主導した三部次期社長

 ホンダは1月20日に、米GMと日本での自動運転モビリティサービス事業に向けた協業に基本合意したと発表している。これはGMとホンダの資本・業務提携に基づき、戦略提携を発展させるものだ。

 21年中に、GMの電気自動車ボルトをベースとしたGM傘下の自動運転開発子会社であるクルーズの試験車両を活用、日本での共同開発の一環として、国内での技術実証試験の開始を目指す。

 ホンダは、昨年11月に一定の条件付き(高速道路)で自動運転になる「レベル3」の型式指定を世界で初めて認証され、近く新型レジェンドに搭載して市販することになっている。しかし、本格的な自動運転となるレベル4、5の実現に向けては、GMとの共同開発で取り組む。

 将来的には、ホンダ・GM・クルーズが共同開発している自度運転モビリティサービス事業専用車両である「クルーズ・オリジン」を活用した事業展開を目指す。