総務省は関係者の処分でも大きな間違いを犯している

 そして、総務省の酷さは初動のミスに限定されません。総務省の緩さと脇の甘さにも呆れるしかありません。

 総務省内での調査では否定されていますが、幹部職員が東北新社と頻繁に会っていたのには、総理の息子の存在も当然、ある程度影響しているはずです。

 しかし、総理の息子の存在ゆえに東北新社の幹部と会わざるを得なかったとしても、昼間に役所の会議室で会えば、少なくとも総理への義理は果たせます。それなのに、夜の会食に何度も参加したというのは、美味しいものを人のカネで食べることに慣れてしまっている証左です。

 しかも、「週刊文春」が公開した音声で明らかになったように、会食は個室ではなく他の客もいる一般席で行われていたと推察できますが、公務員倫理規程違反の行為を他人の目がある場所で堂々とやっていたこと自体が愚かの極みです。

 私は、これらの当たり前の事実から、行政を歪めたのは総理の息子の存在というよりも、総務省の緩さと脇の甘さだと思っています。

 ちなみに、2月24日に東北新社の接待に応じた職員への処分が発表されましたが、総務省はここでも非常に間違った愚かな判断を下しています。

 メディアでは、総務省の幹部職員7人が減給、4人の職員が戒告か訓告、総務省出身で現在は特別職公務員である山田真貴子内閣広報官は1カ月分の給料の6/10自主返納、という表面的な事実しか伝えられていません。しかし、処分の詳細を見ると、非常にアンフェアな内容の処分なっていると思います。

 というのは、総務省で接待を受けた11人中もっとも有名になってしまった秋本前局長は、東北新社から7回接待を受けています(過去の5回については東北新社は利害関係者に該当せず、直近の2回だけが利害関係者に該当)が、秋本氏はそのうち最直近の1回を除く6回の接待について、その場で自分の飲食代を払っています。ちなみに、接待を受けた他の10人は誰もその場で自己負担をしていません(https://www.soumu.go.jp/main_content/000734897.pdf)。

 つまり、秋本前局長は他の10人と違って公務員倫理規程を守ろうという意識があったのです。ただ、おそらく東北新社側に会計の金額を聞いて払ったのでしょうから、実際の自己負担相当額には足りませんでした。

 その結果、過去の5回については第5条違反、直近の2回については第3条違反ということで、減給という処分になりました。ちなみに、接待で公務員倫理規程違反となった場合は、減給か戒告の処分となるので、厳しい方の処分を下したことになります。

 しかし、その場で自分の飲食代を一度も払わなかった他の幹部と同じ減給処分というのは厳し過ぎます。その場での支払額が実際の自己負担相当額に足りなかったので、その差額を接待と認定したのでしょうが、酒も入った席で東北新社に詰め寄って正確な金額を計算させるのは現実には考えにくいことを考えると、社会通念上は自己負担相当額の全額を払ってなくても許されるのではないでしょうか。