秋本氏が可哀想でならない

 そう考えると、秋本氏については、過去の5回について第5条違反とするのは過剰な判断であり、その場で自己負担しなかった最直近の1回についてのみ第3条違反とする方が妥当ではないかと思います。

 それなのに、真面目に7回中6回の接待で自己負担をした秋本氏は、局長から更迭されて減給処分も受けました。一方、湯本博信前官房審議官も大臣官房付に更迭され減給となりましたが、他の幹部は数回の接待で、その場で自己負担をまったくしなかったのに、減給の処分だけで今のポストにとどまるというのは、公平性を失しており明らかに不当な判断ではないでしょうか。

 ついでに言えば、山田内閣広報官が給与の自主返納だけで今のポストにとどまるというのも、もちろんこれは総務省ではなく官邸の判断ですが、秋本前局長への処分と比べると、そして夜8時以降の外食自粛という“ルール”を破っただけで与党の国会議員が辞任や離党していることと比べると、「へー、そうなんだ…」としか思えません。

 本件について総理の息子を含むほぼ全ての登場人物を知っている私としては、その中でも秋本前局長がもっとも真面目な人物だと思っていますし、実際その通りに7回中6回の接待ではその場で自己負担をしていました。繰り返しになりますが、その秋本氏が一度もその場で自己負担をしなかった他の幹部と同様に減給の処分を受けることには、違和感しかありません。

 率直に言えば、報道ゆえに接待を受けた幹部の中でもっとも目立つ存在となってしまい、その影響もあってか長年献身的に尽くしてきた組織から人身御供的に扱われてしまった秋本氏が可哀想でなりません。

 今回の一件から学ぶべきは、総務省は思った以上にダメ組織だということです。野党やメディアの皆さんも、もし本当に日本を良くしたいと思うなら、総理の息子を理由に無理な疑惑を叫ぶより、どうやったらこのダメ組織の性根を叩き直せるかを考える方が有益ではないでしょうか。